フィナステリド ミノキシジル 内服 副作用 外用 文献、論文

論文、AGAクリニックでのミノキシジル・フィナステリド、内服・外用の使い分けは?ミノキは内服から外用へ

論文紹介頭髪外来、内服・外用による発毛治療

はじめに

今回は、育毛に関する短い論文を紹介します。論文の著者は、芦屋美容クリニックの小西和人氏で、頭髪外来で行われている発毛治療の様子が書かれた論文です。この論文、ごく短いもので、研究論文というようなものではなく、一見、頭髪外来の業界の様子をチラリと紹介した程度のものですが、私はとても参考になると思いましたので、注目したポイントを拾っていきます。

この論文で書かれていることの一つに、ミノキシジルについて、なるべく、長期の内服は避け、外用、あるいは、その他の方法に切り替えていくべき、ということが書かれており、何も考えずに、ミノキシジルの内服を何年も続けている人には参考になるものと考えています。



目的、この論文を取り上げた理由

この論文を取り上げた理由は、以下の点です。

  • 多くの人が、ネットで、ちょっとかじった程度の情報を基に、個人輸入代理店で調達したミノキシジル、フィナステリドを内服してしまってそれでよしとしているが、美容外科の医師がどういった考え方をしているかがわかる。
  • ミノキシジル内服に関して、どういったことに気をつけるべきか、が参考になる。


論文の概要

本記事で取り上げたのは、以下の論文です。

項目内容
著者、タイトル小西 和人,頭髪外来における内服・外用による男女の発毛治療
(国際抗老化再生医療学会雑誌 第 1 号(40−42)2018)
著者の概要芦屋美容クリニック、院長
論文の概要


論文の要約

以下の通りとなります。

現在行っている治療薬(男性の場合)

現在行っている治療薬(男性の場合)骨子抜粋/ブログ主コメント
(1)細毛化の進行を抑制する処方と,発毛を促す処方を組み合わせる。男性型脱毛症にはフィナステリド(デュタステリド)とミノキシジルを処方。

→(コメント)つまり、どちらか単体ではなく、フィナステリドとミノキシジルの両方を使用している。両方使用しないと効果ないことを示唆。
(2)ミノキシジルの使用方法には内服と外用があるが,どちらも使用。

→(コメント)ガイドラインでは、ミノキシジルの内服は推奨されていない。しかし、同病院ではガイドラインに反して内服薬を処方するケースがあることを述べている。
(3)ミノキシジルについて高容量、長期間内服で予期せぬ副作用の可能性を避けるため、男性型脱毛症の症状が軽い場合、フィナステリド(デュタステリド)のみを内服とし,ミノキシジルも処方するが外用薬として使用する。

→(コメント)症状が軽い場合は、ミノキシジルは内服薬は避け、同外用薬を使用。フィナステリドの内服薬も併用。
(4)3か月から6か月の経過観察の後,十分な育毛効果が得られなかった場合にのみミノキシジルの内服が可能であることを患者に伝える.

→(コメント)ミノキシジルの外用薬(+フィナステリド内服)ではうまくいかない場合があるということ。ミノキ、フィナの2つの薬を処方していても、ミノキシジルが外用の場合はうまくいかない場合があるケースがあることを示唆している。
(5)ミノキシジルについて、患者に十分なリスクを説明、低用量(2.5mg/日)から開始,副作用がなければ症状に応じて次第に高容量(5mg/日,10mg/日)へと増量。

→(コメント)ミノキシジル内服について、低用量では効果がないケースがあることを示唆。
(6)ミノキシジル内服期間は、最長で1年を目安とする。

→(コメント)1年を超えるようなミノキシジル内服は推奨していない。
(7)ミノキシジル内服の用量は、十分な発毛効果が得られていれば次第に減量し,外用薬への変更を勧めたり,その他の内服薬のみの処方へと切り替えていくようにしている。

→(コメント)同病院では、ミノキシジルの内服はなるべく避け、用量の減量や外用薬への変更に努めている。ここで「その他内服薬」が何を指しているかは不明。
現在行っている治療薬(男性の場合)骨子抜粋/ブログ主コメント


現在行っている治療薬(女性の場合)

本記事では、割愛いたします。



サプリメントの併用について

サプリメント併用の骨子抜粋/ブログ主コメント
(1)治療効果を高める意味でも,治療への参加しやすさという意味でも,上記の薬剤に加え,サプリメントの内服による加療を併用することがとても有用。

→(コメント)サプリメントを併用すると育毛の治療効果を高めることができる。
(2)毛髪治療用のサプリメントとして私たちが取り入れているのは、ミネラル,アミノ酸,ビタミン類。

→(コメント)ミネラル,アミノ酸,ビタミン類が育毛サプリメントとして有用。
(3)【ミネラル】検査機器を用いて患者の組織中のミネラル量を測定し,サプリメント処方の参考としている。

→(コメント)個々の患者の実際に測定したミネラル量を基に、サプリメント処方の程度を決めている。
(4)【ミネラル】指標とするミネラルは,亜鉛,ヘム鉄,ケイ素,アルミニウム。

→(コメント)なし
(5)【ミネラル-亜鉛】亜鉛は毛髪の主成分で,ケラチンの合成に必須。日本人は潜在的亜鉛欠乏症。摂取基準量 成人男性/成人女性=12mg/9mgに対し、男性/女性=8.9 mg/7.3 mg、と明らかに不足。

→(コメント)日本人は亜鉛が不足。
(6)【ミネラル-鉄】鉄も,日本人女性の全ての世代,そして10代以下の男性は,鉄分の摂取量が不足。

→(コメント)日本人は鉄も不足気味。
(7)【その他】毛髪の主成分はケラチン,原材料となるアミノ酸の補給は欠かせない。

→(コメント)なし。
サプリメント併用の骨子抜粋/ブログ主コメント


結語(総括)

総括の骨子抜粋/ブログ主コメント
(1)脱毛症治療は内服・外用のみでも男女を問わず90%以上の方が効果を実感することが可能。
(2)副作用についても十分に対応可能で安全な治療である。
(3)サプリメントを併せて服用することで改善率が向上するだけではなく生えてくる毛髪もより美しく,コシのあるものにすることができ,満足度も向上する.

→(コメント)ミノキ、フィナの内服、外用をすることで、高い確率で育毛の効果を実感できる、と医師が述べている。また、サプリメント併用は効果を高める。
総括の骨子抜粋/ブログ主コメント


私の感想

以下のような感想、気になる点などがありましたのでまとめております。

  • 本論文では、フィナステリドの外用薬の使用については触れられていない。(ちなみに、同外用薬は、個人輸入代理店で販売されている)
  • ミノキシジルの内服については、そのリスクを懸念して処方方法を内服から外用薬、または、別の薬(内容は不明)に切替を推奨している。
  • フィナステリドの内服については、同内服の安全性が医学的に既に確認されているという立場からなのか、実際には起こりうる精力減退、肝機能への影響といった、同薬の副作用の懸念は特に示されていない。
  • この論文は、主に薄毛状態から発毛への育毛成功の部分までに触れているが、それ以後の毛量維持のための治療、懸念点については詳しく触れられていない、というのが印象だった。
  • この病院の場合、発毛成功後の長期に渡る毛量維持のために、「ミノキシジル外用薬+フィナステリド内服薬+サプリメント併用」を処方をしている可能性があることが論文から伺われる。
  • ミノキシジルとフィナステリドの両方を使用すれば、大抵の人は発毛に成功する可能性が高そうで、現在、自分が行なっているミノキ、フィナの処方で自分も発毛には成功するだろうという確信を持った。
  • サプリメントの処方の程度(どの成分かを見極める)を判断するのに、患者のミネラル量を実測するというのは参考になるかもしれない。
  • ミノキシジルの内服の用量を果たして、どれだけにすべきについて論文に記述があり参考になる。2.5mg/日→最大10mg/日。

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